スクランブルゴルフという言葉こそ知っているものの、実際にやったことがないという方は多いと思います。ゴルフをもっと楽しくしてくれる新感覚のラウンドスタイル。ここ数年、競技やコンペで採用が増え続けているスクランブルゴルフですが、具体的にどのような特徴があるのでしょうか?
チームプレーだから喜びも悔しさも仲間と一緒に味わえる
普通のゴルフとスクランブルゴルフの一番の違いは、個人プレーではなくチームプレーであることです。
たとえば卓球やテニスのダブルスのように2人1組になってコースを回るのがスクランブルゴルフ。2人1組はダブルス戦、4人1組はチーム戦と大きく分けて2つの参加方法があります。
では個人プレーがチームプレーになると人数以外になにが変わるのでしょうか?
普通にゴルフをしているときはコースとの戦い、自然との戦い、そして自分との戦いが18ホール続きますよね。同伴者にナイスショットとかナイスインとか声をかけてもらえますが、ほとんどが社交辞令的なもので、本心や感情を表に出さないのが紳士のマナーだったりします。
常に人は人、自分は自分と一定の距離感を保つのが正しいとされています。
一方、スクランブルゴルフは同じチームのメンバーと回るので、プレー中の雰囲気はガラッと変わります。自分が打つときもメンバーが打つときも気持ちはひとつ。ナイスショットやナイスインを本気で称え合い、満面の笑みもハイタッチも自然と出てしまいます。ダブルス戦なら2倍、チーム戦なら4倍の喜び爆発になることは確実です。
一般的なゴルフのイメージとはかけ離れていますが、チームプレーにするだけでこんなに違うものかと思うほどコース上には歓喜の声が響き渡ります。
ベストボールのいいとこ取りでバーディーチャンスが止まらない
スクランブルゴルフのルールはメンバー全員が同じところから打って、ベストボールを選択して、また全員が同じところから打っての繰り返しになります。たとえば自分がミスしてOBでも、ほかのメンバーがナイスショットなら、それを次に打つボールにできます。
1回切りのチャンスじゃないので、気分的にはかなり楽ですよね。
アベレージゴルファーだとパーオンへの道のりが遠かったりするじゃないですか。ボギーオンで御の字、ロングパットが入れば神様仏様ありがとうのラッキーパーだと思います。
しかしスクランブルゴルフはそのパーオンが基本になります。ティショット、セカンドとチームプレーでつなげてナイスオン。バーディーチャンスにつけてからが本当の勝負です。パッティングも同じところから人数分打つことができるので、バーディーの獲得率が大幅に上がります。
逆にボギーだとダボレベルの痛手なのかもしれません。せっかくのバーディーが帳消しになるのでダメージは大きく、渾身のパーパットを外したみなさんはわかりやすく肩を落としています。ある意味、チームプレーならではの悔しさを存分に味わえるわけです。
いずれにしてもパーオンからのバーディーチャンス、ワンランク上のプレーを体験できるのがスクランブルゴルフの特徴です。
プロトーナメントみたいなビッグスコアが続々と生まれる
バーディーチャンスが増えればいいスコアが出やすくなります。そもそもパーオンが基本ってプロレベルのラウンドですよね。
プロ=アンダーパーの印象があるように、スクランブルゴルフもアンダーパー同士での接戦がよく見られます。4人1組のチーム戦はプロトーナメントの最終日みたいに、15アンダー前後の優勝争いが普通だったりします。
怒涛の連続バーディー、攻め続けるゴルフは非常にエキサイティングです。普段、守りのゴルフに徹している方にとっては、自分が自分じゃないような異次元のプレーに感じることでしょう。
ただ、どんなにいいスコアを出してもチームプレーなので、個人のそれとは別モノという考え方もあるはずです。確かにその通りですが、今の実力の範囲から抜け出してプロレベルのビッグスコアを体験すれば、ゴルフのイメージや取り組み方が変わるとも考えられます。
海外に行ってはじめて日本のよさが理解できたとか、いつもと違うことにトライすることで新しいひらめきや価値観が生まれる可能性は十分です。スクランブルゴルフに参加した結果、個々の上達につながったという声も少なくありません。
以上がスクランブルゴルフの主な特徴になります。なんとなく敬遠していた方々にとって「なるほどそうか」と納得できる材料になれば嬉しいです。やはり実際にやってみるのがベストなので、これを機にスクランブルゴルフツアーにもチャレンジしてみましょう。