「キャロウェイゴルフOpen関東大会/関西大会」「茨城プレミアム」「いい夫婦ペア」「Winter Open」の決勝大会規定上位者だけが参加できる最終戦「スクランブルゴルフチャンピオン選手権」チーム戦・ペア戦が2018年3月9日にカレドニアン・ゴルフクラブ(千葉県)にて行われた。この大会は関東だけでなく、関西からも猛者たちが集うとあって、激闘が期待された。
大会レポーターとしても、世紀の一戦を期待しながら早朝に都内を出発。「天気予報は雨だったけど曇りだ!」と喜んだのも束の間、千葉に近づくにつれポツリポツリと雨が降り出し、現地につくころには土砂降りとなった。ただでさえ熱い戦いが繰り広げられる1日だというのに、さらに雨の演出とは、さすがチャンピオン大会。「あるがままに認め、あるがままに打つ」というゴルフを最高の形で現していた。この状況で勝つのが真のチャンピオンと認められるのだ。
朝から降り続く雨は止む気配を見せず、スタート時間を1時間遅らせてスルーでのラウンドに。8時30分にチーム戦トップの組がスタート……と思いきや、ティグラウンドで「やっぱり棄権します」と一言。選手の心を折るには十分な雨だったということだ。最終的にチーム戦で3組、ペア戦で1組の棄権があったが残りのチームは雨に打たれながらスタートをしていった。
強弱はあれど、この日は終日雨。実はプロの試合も含めてゴルフ競技に中止になる気象条件の明確な基準というものは存在しない。しかしこの日の会場は某ゴルフ誌の2017ベストコースランキングの総合ランキングにて1位に選出されたカレドニアン・ゴルフクラブ。この日のグリーンスピードは11.5フィートと、日本一のプライドをかけたコースメンテナンスは最高の状態だった。実際にプレーを見てみると、アンジュレーションのあるポテトチップ・グリーンかつ高速グリーンに悩まされている選手も多かったようだ。
スタート時間を1時間遅らせたことにより昼休憩なしのスループレーになったこの日。チーム戦のハーフチェックでのトップはアウトからスタートした「酔っ払いと愉快な仲間たち」と、インからスタートした「ヤマトンガー2017」がたたき出したそれぞれ「29」。どちらも実力派のチームなだけに、後半のスコアによってはどちらかのチームが優勝カップを手にすることは必至。特に「酔っ払いと愉快な仲間たち」チームはこの時点で優勝を確信していたようだったが、一方の「ヤマトンガー2017」チームは昨年の優勝チーム。ディフェンディングチャンピオンの名に懸けて虎視眈々と連覇を狙っていた。
一方のペア戦のハーフチェックでトップだったのはアウトからスタートした「うなりくん」ペアとインからスタートした「プレイングふぉぉぉぉお」ペアの「34」。とはいえ、34~36のペアが多く、どのペアが勝ってもおかしくない状況。
アウトコース、インコースの各チーム・ペアどちらも見られる場所で選手たちの様子を見ていたが、インコースに比べて明らかにアウトコースの最終ホール9番はガッツポーズやハイタッチが少ない。それもそのはず、この日1日を通してこの9番ホールでバーディを獲ったのはたった1チーム「TOD'S・・・いぐぜー!」だけ。ペア戦は約半数のペアがボギー以上だった。絶妙なピン位置に打ちのめされた選手も多かったようだがむしろ燃えたという選手も。さすがトーナメントコース、競技ゴルファーの意欲をかき立てるのが上手かった。
果たして優勝カップは誰の手に…。まずはチーム戦から。
チーム戦の第三位はアウト32、イン31、トータル63の「てぃ~む ようへい」の谷川 洋平選手、山本 晋平選手、田尻 智佳選手、宇野 友選手チーム。9アンダーは4チームいたが、マッチング方式で3位に入った。今回関西から参加のチームだ。
― この天候の中、耐えるゴルフだったと思いますが……
「昨日来て近くに泊まって雨で……でもみんなで上手くカバーしあって3位という結果を残せてよかったです。爪痕残してやったぜって感じですね(笑)。また2018年度の大会も出たいと思うんだけど、次のチャンピオン大会はもう少し関西寄りにしてもらえると嬉しいなぁ。せめて真ん中(笑)! 川奈、御殿場あたりでお願いします。これから6時間かけて帰ります。お疲れ様でした」
チーム戦の第二位はアウト29、イン30、トータル59の「酔っ払いと愉快な仲間たち」の春日部 文太選手、織田 一美選手、白滝 公園選手、毛利 高文選手チーム。前半アウトで29を出した優勝候補のチームでしたが、第2位でした。優勝を目指していただけあって表彰式では悔しさで口数も少なくなっていました。
― 惜しくも第二位でしたが今日のプレーはいかがでしたか?
「スコアは同じだったのに……。プレーオフをやってほしいくらいです。プレーオフがあったら絶対に勝ってたと思います。次頑張ります」
そして栄えある第一位はアウト30、イン29、トータル59の「ヤマトンガー2017」の坂本 和浩選手、赤坂 昇選手、小林 幹選手、木村 雅浩選手チーム。2位のチームと同じスコアでしたが、マッチング方式で優勝が決まりました。
― ディフェンディングチャンピオンが意地を見せつけたということで今日のこの大雨の中このスコアが出せたのは?
「やっぱりパターですね。4人それぞれパターの打ち方のスタイルとかも違うんですけど、もうそれを考えた上で自分のラインを決めていけました。それが今回全員まんべんなく上手くいったというところが一番でしたね。それぞれみんな得意分野も違うんですけど、そこもできるところを上手くやってくれたというところも連覇につながったのかなと思います」
― 今までにチャンピオン大会連覇は居ませんでしたね。
「連覇したのが初めてということなら、もし次負けてもいいかなーなんて(笑)。ここに来るまでに姉ヶ崎カントリー倶楽部で断トツで優勝をして、無料エントリーができたので南総カントリークラブの決勝大会に出たんです。シードなので、練習のつもりで行こうよって出たんですが、この時のスコアがボロボロで。悔しくて、チャンピオン大会ではリベンジしたいねって話はしていましたね。どんなに上手い人がいても勝てないことがあるのがスクランブルの面白いところだと思いますし、またこのチームで力を合わせて出られたらいいなと思います」
続いてペア戦に移ります。ペア戦の第三位はアウト36、イン34、トータル70の「プレイングふぉぉぉぉお」の井上 大地選手、岡村 真吾選手ペア。2アンダーのペアは4組いましたが、こちらもマッチングで3位となりました。
― おふたりはどの大会から勝ち上がったんですか?
「僕らは寒い中、この大会に出られる最後のチャンスのWinter Openで勝ち抜いてきました。最悪のコンディションの中、今日の決め手は3メートル以内のパーパットをねじ込んでいけたことがこのスコアにつながったと思います。正直もう少し伸ばせそうなところはたくさんありました。ティショットもお互いもう少し良かったら5アンダーくらいいってたんじゃないかと思います。2018年大会も頑張ります!」
第二位はアウト36、イン34、トータル70の「R39」の石井 美紅選手、湯浅 良平選手ペア。こちらもマッチングで2位に輝きました。
― チーム戦・ペア戦合わせて1331人の中での2位! この雨の中スコアを出せた決め手は?
「良くも悪くも、ひとつチップインバーディを決めたのはデカかったかもしれませんね。あとは後半の途中でダボを打ってしまって、でもそこから3つバーディが獲れたのは大きかったです。マッチングで引っかかってよかったねって(笑)。あとは同伴ペアの人たちが良かったです。明るくて、ダボ打ったときも明るくしてくれて、気持ちが楽でした。同伴者にも恵まれて気持ちよくゴルフができた結果ですね。まだ3月22日のミックスペア戦にも出るので、もう一つ前の席に座れればと思います!」
そして栄えある第一位はアウト35、イン33、トータル68の「NoSole Brothers」の加藤 一理選手、松山 聡選手ペア。ペア戦では唯一のイーグルを獲ったペアです。関西の学生さんペアで、この日は前日入りして来たとのこと。
― この大雨の中、スコアの決め手は?
「決め手は2人が同時にミスすることがほとんどなかったということだと思います。噛み合いました。あとは、僕ら雨にも慣れていたというのもありました。パターも入るところは入って、同伴ペアの雰囲気もすごく良くて助かりました。一緒に回った方たちと楽しく回れたのも大きかったです」
― 関西からの出場ですよね?
「はい、大阪から来ています。前日入りして、朝起きて、雨降ってて、(せっかくのいいコースなのに)くそーって(笑)。次は晴れているときに回りに来ます! レベルの高い人が多い中で優勝させて頂けて光栄です。来年のこの大会もこのメンバーで表彰式に出られるように頑張ります。ありがとうございました!」
今回ペア戦の平均年齢は20代。ゴルフ離れが叫ばれている若い層も活躍していた。ゴルフの腕前だけではなく、チーム力も試されるスクランブルゴルフ競技。普段のエンジョイゴルフに物足りなさを感じている人は競技ゴルフの第一歩として選択肢に加えてみてはいかがだろうか?
2018シーズンは3月開幕。各選手権とも拡大リニューアル、スクランブルゴルフの魅力を堪能できる大会を多数開催。大会公式サイトにてエントリー受付中。
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