publicシリーズ
2015パブリックダブルススクランブルゴルフ選手権
後期|決勝大会|八千代ゴルフクラブ
2016.01.13(水)開催
2015パブリックダブルススクランブルゴルフ選手権・後期決勝大会。「japan」の猿山隆二・衣笠洋司ペアが10バーディー、ノーボギーのトータル62で優勝。コンビを組んで5年というダブルス戦の練達ペアが安定感抜群のゴルフで後続の猛追を振り切った。昨シーズンの同シリーズ決勝で2位という惜敗から丸1年、再び訪れたチャンスで真の実力を証明した。
2016年1月13日(水)、八千代ゴルフクラブ(千葉県八千代市)にて、2015パブリックダブルススクランブルゴルフ選手権・後期決勝大会が開催された。参加資格を得たのは2015年9月~12月にかけて行われた予選会及びブロック決勝にて上位通過を果たした52ペア。2016年3月、カレドニアン・ゴルフクラブ(千葉県)にて開催されるチャンピオンシリーズへの進出を目指して戦う。
連日の厳しい冷え込みは決勝当日も変わらず。寒さを除けばコンディションは良好なものの、周囲からはグリーンの固さを気にする声が聞こえてきた。まだ霜が残るティグランドではベストやセーターで防寒対策をした選手たちがスイングチェックを繰り返しながら、スタートの合図を待っていた。
7時30分、INコース・OUTコースが同時にティオフ。ファーストショットを打ち放った選手はパートナーとともに、朝日の向こう側に消えゆくボールをその目で追った。
パブリックシリーズはパブリックコースを舞台に繰り広げられるスクランブルゴルフのダブルス戦。他のシリーズと比べて予選会が多く開催されるため、参加者もスケジュールに合わせやすく、自身のホームコースが会場になることもある。前期戦は延べ532ペアが参加し予選から決勝まで熱戦が繰り広げられた。
後期戦もその人気は変わらず。打倒前期チャンピオン、シリーズベストスコア、チャンピオンシリーズ進出などそれぞれの目標を掲げた強豪ペアが一堂に会した。
前半を終えてトップに立ったのはハーフスコア31をマークした「リベンジャーズ」の三浦正博・中村光郎ペアと「japan」の猿山隆二・衣笠洋司ペア。ともに5バーディー、ノーボギーとチャンスを逃すことなく好スコアにつなげた。それを追うのはアンダーで回ってきた31ペア。
序盤の取りこぼしを回収すべく後半の逆転を狙う。またあまり調子が上がらなかったペアも起死回生のチャンスをものにして上位戦線に加わりたいところ。実力伯仲のスコア争いから目が離せない。
朝の冷え込みから一転し、袖の下が汗ばむほどの陽気となった後半。上着を脱いで身軽になった選手たちが意気揚々とコースに向かった。泣いても笑ってもあと9ホール。
勝つためにも負けないためにも、狙うだけ狙って、獲れるだけ獲るしかない。前半のスコアが追い風になったのか、バックナインは上位陣を中心に攻めの姿勢が見られた。
勝利の女神が微笑むのはどのペアか。
西日が気になりはじめた頃、18ホールを戦い終えたペアがスコアカードを手にアテストエリアへと入ってきた。スコアチェックが済むと今度はリーダーボードに目を向ける。優勝スコアもカットラインもまだ見えない中、自身の名前が貼り出されたペアは頷きながら安堵の表情を浮かべた。
時間の経過とともにトップスコアは更新され、逆転を許したペアは静かに肩を落とした。これで決まりかと思われた午後4時、最終組のスコアに誰もが息を飲む。同時に後期チャンピオンが決定した。
3位は「万太郎」の大割孝敏・佐藤秀宣ペア。前期戦のチャンピオンでもある2人は8バーディー、ノーボギーのトータル64(前半33・後半31)と後半から5つ伸ばして入賞ラインを飛び越えて。
大割さんは「前回不調だったドライバーを先輩(佐藤さん)と2ヶ月かけて修正してきたので今日はよかったです」とプレーを振り返った。佐藤さんとともに決して調子は悪くなかったが、17~18番でのショットミスが原因で連覇を逃したという。また前期チャンピオンというプレッシャーも相当あったとのこと。次戦は今日の悔しさを闘志に変えて挑む。
2位は「おさるさん」の稲村雅樹・稲坂明子ペア。1イーグル、6バーディー、ノーボギーのトータル64(前半34・後半30)と後半たたみ掛けての2位フィニッシュ、3位以下を僅差で振り切った。
ともに塩屋崎カントリークラブ(福島県いわき市)のメンバーでゴルフでは師弟関係にあるという。
稲村さんは「OUTはスコアが出にくかったが、INに入れば伸ばせそうな気がしました」と振り返る。
その予想通り、出だし2ホール連続でバーディー、さらに16番のイーグルで波に乗った。パッティングでは稲坂さんが先に打ってカップに沈めていったため「僕はあまり仕事をしていません(笑)」と苦笑い。
弟子である稲坂さんの好調を讃えた。予選から決勝まですべて2位以上。チャンピオンシリーズではこの勢いで頂点を狙う。
そして優勝は「japan」の猿山隆二・衣笠洋司ペア。10バーディー、ノーボギーのトータル62(前半31・後半31)と2位以下を突き放して見事優勝。猿山さんは「昨シーズンの決勝は2位だったので今年こそは優勝してやろうと思い、実現できてよかったです」と率直な喜びを語った。
また会場を間違えて柏に行ってしまい時間ぎりぎりに到着したという衣笠さんは「逆にそれが功を奏してパットがよく入り、ビッグスコアにつながりました」と笑いを誘った。予選で思考錯誤していたドライバーのセッティングが決まったことも好スコアの理由だという。
チャンピオンシリーズでは「(開催コースの)カレドニアン・ゴルフクラブはホームコースなので最低でも9位以内に入りたいですね」とやや控えめに抱負を述べた。ダブルス歴5年で競技経験は豊富。
互いにどんなゴルフをするかは熟知しているという練達ペアの快進撃はさらに続きそうだ。